会社の掃除が面倒...
こんなのタダ働きだし...
業者に依頼したらダメなの〜?
こんな疑問を持っている人多くないですか?
朝始業前に来て、階段やトイレなどの掃除、さらには年末には大掃除というイベント。
自分の家でもないのに、掃除するのって面倒だしやる気も出ませんよね。
僕も長年そんなことを思いながらも過ごしてきたので、すごく気持ちがわかります。
でも、僕はある人の言葉を聞いて掃除をすることに対する気持ちが変わりました。
そのある人とは、パナソニックの創業者「松下幸之助」です。
「松下幸之助」の掃除に対する思いというのは、掃除を単なる綺麗にするという手段として捉えているのではありません。
そこからいろんなものが見えてきて、仕事や政治に役立つことがたくさん見つかるということを説いています。
この記事では「松下幸之助」の言葉も借りながら「掃除することの大切さ」を解説していきます。
会社の掃除は社員だけでなく社長や役員もやっている!? 〜一大事業という共通認識〜
会社の掃除、社員だけやらせて社長はやらないの?
僕も含めこんな不公平感を持っている人いませんか?
こういうことをやっていると、社員の掃除に対する不満は少なからずともありますよね。
社員だけではなく、社長や役員も会社の一事業として掃除を認識しないといけません。
掃除ひとつできないような人間だったら、何もできない。皆さんは、“そんなことはもう、三つ子の時分から知っている”と思うかもしれないが、ほんとうは掃除を完全にするということは、一大事業です。
引用:松下幸之助発言集44
掃除できなければ、他のことは何もできない。
つまり、掃除できない人は仕事もできないということです。
ということは、会社自体の成長もありえないということになります。
むしろ仕事ができない社員ばかりだと会社が衰退してしまうことも懸念されますよね。
大事なことは、まず掃除をすることを会社の一大事業として位置付けて、社長や役員含め全社員で掃除をしないといけないということです。
誰がパイオニアになるか...
まずは会社が掃除のあり方を社員に示さないといけません。
社長や役員みずから率先して掃除をやり、掃除するときも役員などといった待遇など抜きで、同等であるべきだと思います。
では掃除を一大事業として捉えるのはなぜなのか?
目標は社員一人一人が真の一人前になること!〜掃除を苦行としそこから学べる!!〜
「ただ与えられた仕事だけ一生懸命やってれば成長できる!」
一見正論にも読み取れます。
しかし、その与えられたその仕事に対しては一人前になれるかもしれません。
でも、あなたはそれ以上の成長はないということです。
親鸞でもお釈迦さんでも、一所懸命に悟りをひらきたい、世の中の真理というものを知りたいと念願して、3年も4年も苦行をしたわけです。きみはそんなに念願もせず、ぽっとここへ入ってきたのでしょう。悟れるわけがない。だから、掃除をやりなさい、掃除を完全にできないようではあかんということで、掃除をやっているのです。
引用:「松下幸之助発言集44」
例えば、ある製品をあなたが作ったとします。
できた製品はとても素晴らしいものです。
しかし、お客さんがその製品をなぜその製品を必要としたのか、そしてなぜあなたの会社へ発注したのか。
また、その製品は今後どのように社会に貢献できるものなのか。
そういったことを知るには、世の中の真理を知ってこそ、本当の一人前と呼ばれるものだと言っています。
それには、長年の掃除を苦行として捉えることで自ずと身についてくるものです。
全社員が掃除という苦行をすることで、新たなイノベーションが生まれ、さらなる会社の発展も現実味を帯びてくるのだと思います。
ではなぜ、掃除という苦行をすると色んな事が身についてくれるのでしょうか。
掃除をすることのメリット 〜気づきを与えてくれる〜
物事ただやっているだけでは、その道のプロになれたとしても結局そこからは成長できません。
掃除も同様、ただやっているだけではせいぜい掃除のプロ止まりで終始します。
どんな仕事でも、単純な仕事でも、真心をこめてやらないと具合が悪い。そこからいろいろなものが生まれてくるわけや。掃除の仕方でも、やっているうちに、こういう掃除の仕方があるということがわかってくる。植木のあいだを掃除していても、こういうふうにしたほうがもっと早くきれいになる、木のためにもなると気づく。そんなことまで考えるような人は、しまいには植木の職人になるかもわからん。そうすると、植木屋になっても非常にいい仕事ができる。君が植木屋になるわけやないけれども、どんなにつまらんと思う仕事でも、やる以上は精神をこめてやらなければいけない。
引用:リーダーになる人に知っておいてほしいこと
掃除している中で、何か気づいたことはありますか?
僕は本棚を整理している中で、いつも棚に入っていおらず、一冊だけ必ず出しっ放しになっている本があって気になりました。
なぜだろう?と考えた時に、その本は頻繁に社員が読む本だと思い、もしかすると膨大な本棚から選び出すのが不都合なのかな?
片付けもこの場所では不便なのかな?
そんなことに気づきました。
そういった気づきを与えてくれるのが掃除であると言っています。
あなたの分野を超えた新しい発想や考え方が生まれる
しかも、掃除はただそこに止まった気づきを与えてくれる訳ではありません。
そこから遡り、会社の営業やさらには政治の領域にまであらたな気づきを与えてくれます。
ところがはたして、全員が朝の掃除を30分間、誠心誠意やっているかどうかという問題やな。形式的にやっているだけだったら、それはもう、何も身につかんわけや。植木のあいだを掃除している。葉が落ちている。その落ち方を見て、この植木は傷んでいるからもっと水をかけてやらなければいけないというようなこともわかってくる。掃除をしていながら、植木を育てることもできるわけや。すべてにおいてそうなれば、商売をしていても、こういう商売の仕方は具合が悪い。将来の日本のためにならない。将来の日本のためになるには、商売の仕方を変えないといけない。そのためには、この法律は必要ない、この法律があったらかえってじゃまになるから、この法律を変えなければいけない。するとさらに、そのためには政治はこうあらねばならない、ということまで発想していくことになる。
引用:リーダーになる人に知っておいてほしいこと
たかが掃除、だけども真剣に取り組んでいく事で新たな気づきを発見できるし、プラスアルファで他のものにとっても良い影響を与えるということです。
例えば先ほど取り上げた「1冊の本だけが出しっ放しになっているという話」です。
その本をもっと取り出しやすくしたり、使わない本を片付ける事で利用する人たちにとってすごく有益になります。
さらに、その本が最新かどうかも確認してあげる事で使っている人たちに助言することもできるのです。
掃除を真剣に取り組む事で、色んな提案や方法も考える事ができるし、単なる掃除のプロで終わるのではなく、もっと新しい効率的なことも可能になってくるのではないでしょうか。
掃除しない社員はどうなる?
だから、掃除をしている過程において、偉大な政治の要諦がつかめるわけや。こうしてやればいいという程度やったら単なる掃除で終わってしまう。そういうことやな。掃除に出てくる人もあるし、出てこない人もあるということを聞いたから、そんなことでは具合悪いなと思った。掃除をするということの意義を知らない。なぜ政経塾で掃除というものをさせるかというと、掃除から政治はいかにあるべきかということまで発想できるからや。それで掃除も大事やというふうに考えている。諸君は他の何についてもそういう見方をしないと、非常に浅くなってくる。深いものを汲み取ることができないわけや。だから、掃除をしていても、政治の真髄をつかめる人と、単なる掃除で終わってしまう人と、10年のあいだに格段の差ができるわけや。
掃除を真剣にし続ける事で、世の中の真意が分かると述べています。
そういう人たちは、深い考えもできるし色んな発想も可能となります。
深い考えができる人はこれまでやってきたこと(仕事)だけでなく、それを超えた分野の真意を掴む事ができるのでさらに成長する事ができます。
逆に、掃除しない人は考えが浅はかです。
結果として、両者の10年後を見ると仕事の出来であったりポジションには大きな差が生まれます。
まとめ
ポイント
- 掃除は社長・役員の全社員として一大事業という認識を持つ
- 掃除は真の一人前になるための苦行とする
- 掃除を真剣に取り組むことで気づきを与えてくれる
- 掃除を真剣に取り組む事で10年後は仕事のみならず、他の分野の真髄までも捉える事ができる。
単なる掃除なんて...と思っていては10年後のあなたの価値は、今のあなたとそんなに変わりません。
会社全体として掃除を真剣に取り組むことが一番良いのですが、そうでない会社もたくさんあります。
そんな場合、不公平感を感じる事もありますが、あなただけでも掃除を真剣に取り組んで欲しいです。
そこから色んな気づきを見つけ、深い考えを持つことで今よりさらに成長していけます。
参考:パナソニック-歴史-
以下から、人材育成に掃除の必要性を解いた「松下幸之助」をもっと知ることができます。