あなたは無理な副業していませんか?
空き時間を有効利用しお小遣い稼ぎ、生活の足し、スキルアップ...
理由は様々ですが、せっかく始めた副業で、体の不調や精神的に病んでしまっては意味がありません。
知っていますか?
もしあなたが無理な副業をしていて体を壊してしまった場合、現行の副業におけるガイドラインでは、労災認定されないケースがあることを...
さらに今後、労働時間や割増賃金に関して労働基準法の規定が変えようとする動きもあります。
ですので、副業している方やこれから考えている方は副業するための正しい知識をもつことが大切です。
この記事では、副業における労災認定と、今後の労働基準法の規定の行方について書いていきます。
副業における労災認定は、主業と副業の労働時間は合算しないのが基本
労災認定となる鍵は労働時間です。
参考:労働問題弁護士ナビ「長時間労働で身体に支障が出れば労災と認定される」
ただし、副業における労災認定の場合には注意が必要です。
それは厚生労働省の規定によれば、主業と副業の労働時間は合算されないということ。
しかし、副業での労災認定にあたり、下記の事案があったのを知っていますか?
労災が認定されたケース
「現行の労災認定では、兼業・副業の場合、複数社の労働時間を原則合算しないが、労基署は実態として1社の指揮命令・管理監督下にあったと判断し、合算を認めた。」
労災:残業合算、過労死を認定 2社雇用、実態は1社 川口労基署 - 毎日新聞 https://t.co/PalW0M5hbh
— AEQUITAS /エキタス (@aequitas1500) July 28, 2019
簡単に説明すると、運送業者の従業員であるトラックドライバーの男性が、この運送業者が設立した関連会社にも勤務していたというもの。
そして、この男性は度重なる過労により死に至るというケースです。
この場合、運送業者が設立した関連会社での勤務は副業となります。
労災の認定には、主業と副業の労働時間は合算されません。
しかし、労基署はこの事案について労災認定したのです。
理由は、全く異なる完全な2社での雇用ではなく、1社での雇用と判断したからです。
そのため労働時間の合算により、労基署が認定した残業時間は亡くなる過去の6カ月間で約126〜158時間。
「過労死ライン」とされる月100時間を大幅に超えていたため労災認定したというものです。
企業による副業トラップがあった?
おそらく企業側としては、労災の責任逃れという思惑もあったのかもしれません。
2社での勤務となれば、労災認定はされず企業としては責任を負うことはなくなりますから。
今回のこのケースでは、労基署が2社にまたがった労働ではなく、実態としては「1社での労働」だと判断したことによるものです。
厚労省の規定に従えば、もしかすると労災認定はされなかったのかもしれません。
働きすぎて体を壊しても、基本は労災認定されません
厚労省の規定では、主業と副業の労働時間は合算されません。
主業とは全く異なった会社での副業になると、万が一の場合には労災認定されません。
ですので、あなたが無理をして副業をして体を壊しても労災認定どころか、それまでの給与や手当はもらえなくなります。
上記事案のような働き方をしているようであっても、労災認定までには長い期間を要するでしょう。
会社に内緒で副業をしている方、これから副業しようと考えている方、このような事実があるということを認識し、もう一度あなたの副業に対する考え方を見直してみるべきです。
労働基準法の規定が変わる!?
「専修大学の広石忠司教授は「通算規定が削除されると残業の上限規制が実質的に骨抜きにされる。労働者の健康管理の責任はどちらの会社が負うのか疑問点も多い。労働者の健康に直結する問題だけに、副業解禁に伴う労基法改正を拙速に行うのは無謀だ」と強い懸念を示している」https://t.co/Sr01Olg3aM
— 社会民主党(社民党)新潟県連合 (@NiigataSdp) July 25, 2019
政府はさらなる副業推進に向けて、労基法を変えようとしています。
どういったことかというと「主業と副業の労働時間を合算する」といった内容を削除するというもの。
つまり企業側にもっと副業を解禁するよう、企業側への配慮なのです。
企業側の負担が減る
これまで従業員の「主業と副業の労働時間を合算する」といった場合には、企業は各従業員の労働時間の管理が必要です。
さらに、副業側で通算労働時間が法定を超えた場合には、後から雇用契約を結んだ副業先にて割増賃金を払う必要があります。
A社(主業):8時間・・・(法定労働時間 160時間/月間)
B社(副業):6時間・・・(時間外労働 120時間/月間) ⬅️ 月間上限100時間に違反!
例えば、現行の規定ではB社での月間上限を20時間上回るので違法です。
しかし、今後の展開では、
A社(主業):8時間・・・(法定労働時間 160時間/月間) ⬅️ 法廷時間内
B社(副業):6時間・・・(法定労働時間 120時間/月間) ⬅️ 法廷時間内
どちらで働いても法廷時間内となり企業の違法性はありません。しかし労働者にとっては長時間労働の恐れがあります。
また企業にとっては、各従業員の管理であったり割増賃金を支払うといった負担が軽減されるのです。
政府の思惑...
・副業を解禁する企業が思ったより少なかったということ。
・企業に解禁するよう圧力をかけても企業側の負担が多いからという反発があったということ。
そういう労働者を無視した、企業側だけを配慮した理由からの改定なのでしょうか。
まとめ
ポイント
- 主業、副業での労災認定は基本的に労働時間の合算はしない
- 無理な労働(副業)はあなた自身の体を壊してしまうだけ
- 今後の労働法の改正の動きにも注意
お小遣い稼ぎ、スキルアップ、生活の足しにと副業をする理由は様々ですが、あなた自身の体を無理させてまでする必要はありません。
体を壊してからではもう遅いのです。
また、企業も副業解禁することについてはまだまだ否定的なところが多いですが、内緒にしてまでやる必要もありません。
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安心して副業していくためにも、あなた自身が正しい知識を得て健康を考えながらやっていって欲しいです。